2007年1月2日(火)14:54

EU憲法再生に広範な支持の声

ベルリン(AP)

停滞しているEU憲法批准プロセスを議長国任期中に活性化させるというドイツ政府の発表は広範な支持を得た。欧州議会のエルマー・ブローク議員は、5月のフランスの大統領選挙後に新たな提案が行なわれるものと予測すると西部ドイツ放送WDRで述べた。そうなれば、その意思さえあれば2008年のEU憲法成立も可能である、と欧州議会保守会派の広報担当を務めるブローク議員は語った。

ザールラントのペーター・ミュラー州首相はインフォラジオInforadio vom rbbで、アンゲラ・メルケル首相がこの問題を任期中の議事日程に乗せたのは重要であると述べた。加盟国が27ヶ国に増えたEUは基盤を必要とする。「それが現行の憲法条約になるか、それとも修正版になるかは副次的問題だ」とキリスト教民主同盟(CDU)所属のミュラー州首相は付け加えた。

ドイツ連邦議会欧州委員会のクルト・ボーデヴィヒ副委員長も、ドイツのEU議長任期に信頼を寄せた。「私はEU憲法条約のロードマップがきわめて重要だと考える。」一方で副委員長はドイツの議長任期に過大な期待をかけぬよう戒めた。

ギュンター・グローザーEU担当政務次官はドイツラジオ・文化Deutschlandradio Kulturで、ドイツは憲法条約のタイムスケジュールを発表する必要があると述べた。熟考の時期を終え、今後は憲法の成立に向けて加盟国と協力し一致点を見出さねばならないと語った。

ドイツ都市評議会Deutscher Staedtetagは、憲法条約が市民のEUに向けた一里塚になるとの見解を表明した。EUは都市をパートナーとして承認し、EUの決定プロセスに早めに関与させるべきである。欧州連合はこの数年間、市民との距離の隔たりに悩んだ、とミュンヒェンの市長を務める同評議会のクリスチャン・ウーデ議長は語った。

これに対し、グローバル化反対のネットワークであるアタックAttacは、憲法プロセスが破綻したと述べ、ドイツ政府に対してその結果を正しく受けとめるよう求めた。「憲法が死文化したことを政治は認識しなくてはならない」。憲法条約は各国政府間ではなく、市民の間で結ばれねばならない、とアタックドイツ支部のスヴェン・ギーゴルトはフランスとオランダの国民投票による批准否決を踏まえて語った。

欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はドイツ国民に対して、ルーマニアとブルガリアへのEU拡大をむしろ好機と捉えるよう呼びかけた。「これまでどの拡大ラウンドも新規加盟国ならびに旧加盟国に恩恵をもたらした」。たとえば過去12年間にドイツの新規加盟国への輸出は3倍以上に伸びた。「こうしてドイツも、いやドイツこそが雇用の確保と創出という恩恵を一番に受けている」、と委員長はビルト紙Bildに語った。

原題:Zustimmung fuer Wiederbelebung des EU-Verfassungsprozesses




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